何がこんなに辛いのであろう。

どうしてこんなに苦しいのであろう。

心の奥底にある寂しさのダムが決壊しそうである。




摂食障害の症状は正しく辛苦である。

苦しい事が解っていても、食べ始めてしまう。そしてそれは

留まる事を知らず暴走する。胃の限界がきたら涙を流しながら

全て吐き出す。そんな毎日を続けていると、まるで自分が

廃人になってしまったような気がするのである。




食べていない時、つまり拒食状態の時は、頗る体調が良い。

少々空腹を感じるだけで、『食べなくていい』と思う

だけで随分気が楽である。だからその間に読書に耽る事も

出来るし、家事をしたり、疲れたら少し休んだりと、心が

とても落ち着いているのを感じる。




しかし問題は夜になってからである。

こうして日記を綴っている時は、ビールを飲みながらリラックス

している。食べたいとも思わない。しかし夜はとても長い。

その内、過食の蟲が蠢き始め、食べないではいられなくなる。

そして「ちょっと一口食べてみよう」と食べたものが

過食嘔吐の引き金になるのである。




無論、毎日此の行為を続けていると言う事は、利点があるという

事であると言える。心の底に渦巻くどす黒い思考も、柵も

忘れていられる。無我夢中で食べている間は、余計な事を考え

ないで済むのであるから・・・。しかし全てが終わった後、

『虚脱感』に襲われる。それ程虚しい事なのであろうと

考える。そしてまた、

此の症状が私にはまだ必要である事

を痛感する。




唯一の救いは、母がとても柔らかく接してくれる事である。

素直な感情を、言葉を選びながらも伝えられるようになったし、

そんな時傍に来てくれる。とても温かい気持ちになる。

こうして母との関係が良好になるにつれて、2度目の過食嘔吐は

したくないなと言う気持ちになる。しかし、惰性と言うか癖に

なってしまっているので、1日2回過食嘔吐をしないと

気が済まない。食べ物の味など殆ど関係ない。唯、胃に詰め込み

限界が来てそれらを全て吐ききる事で、終わらせる事ができる。

1人での闘いである。でもいい加減疲れてしまった。




もしも、過食嘔吐を止められるようなお薬が出たら、

迷わず処方してもらうかも知れない。この「知れない」という

結びは、まだまだ私に此の症状が必要なものであると感じて

いるからである。勿論『治癒・寛解』を望んでいる。

でも今、私から此の症状を無くしてしまえば、

全く食べ物を食べなくなってしまうであろう。



『食べるか食べないか』



今の私にはこの二者択一しかない。『All or Nothing』、

『ゼロか百か』と言う思考しか持ち合わせていない。

此処が摂食障害の厄介な所である。また、強迫性障害の

症状も容赦なく私を襲う。少しでも順番を間違えたら

やり直すし、起床してからやらねばならない事が決まっていて

その通りにやらないと気が済まない。




取り敢えず、今日はのんびりとしている。気が楽である。

それはきっと、弟が久し振りに夕飯を食べに来たからであろう。

普段は母との2人暮らしなので、弟が家に来たら場の雰囲気が

変わって楽しくなる。天真爛漫な明るさを持った弟は、

母からお金を借りたり、気が向いた時にしか来なかったりするが

場の雰囲気を変えてくれるので、こちらも朗らかになる。




摂食障害については、一言二言では語り尽せない程、奥深い

問題が心の底のほうに渦巻いている。どす黒い感情もある。

しかし、此処で放棄してしまっては、一生懸命私の話を聞いて

下さっている主治医やカウンセラーに申し訳ない。

そして母より先立つ事も赦されない。




無理だけはしないように、ゆったりできたなら

落ち着くであろう。ゆっくり一進一退しながら、

全てを放棄する事は避けるようにしたい。

コメント

ミルク
ミルク
2006年7月20日20:57

ナノさん、こんばんわ。

過食嘔吐の苦しみ・・。
これはいつも申し訳ないと思うのですが
私には理解できません。

鬱症状がひどく食べられない時などは
ありますが・・・。
でも、「吐く」という行為は辛いですよね。

それを一日2回もしなければならないのは
とても辛いと思います。

お母様の愛情を受け、少しでも症状が軽くなると
いいですね・・。

ナノ
ナノ
2006年7月21日19:42

☆☆ミルクさんへ☆☆

ミルクさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

うつ状態で食べられない気持ち、分かります。私も日中は
抑うつ状態なので、食欲が全くありません。
でも夜になると抑制が外れたみたいに過食嘔吐をして
しまいます。

分からない事でも、私の気持ちを汲み取ろうとしてくださる
ミルクさんに感謝します!

ミルクさんもどうかご無理をなさらずお過ごし下さい。