夜中の過食嘔吐が終わりに近付く頃には、もう空が白み始めて

いる。新聞配達のバイクのエンジン音が聞こえ、

鳥も目覚めて啼き始めている。

TVが朝のニュースを報道し始めた頃、全てが終わり、

漸く就薬を服用出来る。眠気が訪れるまでカルーアミルクを

少しずつ飲みながら、一服する。もう固定されてしまった

私の行動である。日が昇り皆が活動を始める時にやっと

私は眠りに堕ちる事ができる。そうする内にどんどんと世間から

置いてきぼりを食っている感覚が身に沁みる。




就薬+αでたっぷりと睡眠を摂るのであるが、夢を見てしまうと

眠った感じは薄く、次から次へと襲い掛かってくる夢ならではの

災難に必死で対抗しているのである。そんな夢を見た後は

心身共に疲弊しているのである。そしてまた、目覚めた後に

『〜せねばならない』と言った行動へ移す。幾ら具合が

悪くても、しんどくて疲れていても、必死でシャワーを浴びる。

その後はいつも通り水を沢山飲みながら読書に耽る。

それだけで私はもう精一杯である。




先日、ほんの出来心で体重を測ってみた(主治医からは測らない方が良いと言われていた)。

最後に測った時から2〜3kg減っている程度だった。

これだったらまだ痩せても大丈夫であると安心した。

体重の数値に左右されるのは、もう真っ平なので、又当分体重を

測ることはないであろう。

けれどもその数値を見たことで『痩せ願望』

勢いを増してしまったことは否めない。




『太ると言う恐怖』

これは根深く心に蔓延っていて、私にはどうにも出来ない。

取り敢えず今の生活を変えないでいれば体重が増える事は無いで

あろうが、もっともっと痩せなきゃならないという想いは

強くなっていった。だから徹底した拒食を貫く日中と、

夜と夜中の過食嘔吐を崩す事が難しくなった。

もっと痩せたければ、夜中の過食嘔吐を失くせば良いであろう。

しかし私は虚ろな目をして無意識の内に始めているのである。




世間では社会を成立させる為に人々は働く。

中には病を患いながらも、生活の為食べていく為に必死に働いて

いるのである。私と同じ病を持った人も凄く頑張っている。

うつ病を患っている人も一生懸命働いている。

それを感じると、「私は何て体たらくな人間なのだ」

自分自身に怒りを覚える。




こうして私が病気の症状に魘されている中でも、世間は社会は

止まらず次へ次へと進んでいく。追い縋っても付いて行けない

程のスピードで。私はこのまま此処で腐っていってしまうような

気がしてならない。兎に角今は人が恐い。凄く疲弊している。

何だか病気の為に生きているような感じさえするのである。




主治医に言われたが、病気と闘っても仕方ないのである。

唯、今のこの状態で必死に心の中の葛藤を続けながら、

少しでも生き易い方向へと、自分を見つめて傷付いた所を

癒していくしか術はない。




一番楽しいであろう10代前半から今までずっと摂食障害で

あった。『食べる事』は人間にとって生きる為の基本的な

行為である。それに障害が生じると言う事は、生きる事が

どんどんと困難になっていく。摂食障害の患者は年々増えてきて

いる。今や小学生にまでその悪魔の病気は及んでいる。




それでも世間は走るように私の側を駆け抜けていく。

とても付いては行けない。今は未だ、私の中心にある傷を

癒す力すらない。




だから、お薬で心身を休め自然治癒力に任せる部分が多くなって

くるのであろう。




焦っても何も良い事は無い。世間に置いていかれるのはとても

哀しいが、今はゆっくりと身体を休めていつか動き出せるまで

力を溜めたいものである。

コメント

ミルク
ミルク
2006年5月21日21:42

ナノさん、こんばんわ〜^^

確かに時の流れは早いですね。
二十歳を過ぎてから今まであっという間だった気がします。
だからと言って置いていかれるなんて事はないですよ。

本当に世間はいつも騒がしいですね。
でも、時の流れはすべての人に平等です。
ナノさんの一日一日も同じ一日ではなく、わずかですが
前進しています。
自分のペースで進めばいいのです。焦らずゆっくりですよ!

昨日の「いい子」の話ですが、今日ふと思った事があります。
私はもはや「いい子」であろうとするのが
癖になってる気がします。そのため、母に対しては
異常に心配をかけまいと申し訳ない気持ちになる気がします。

今の母との関係は理想的ですが、昔の強い母を
思い描くとまだ心が痛みます。
今、昔の母と一緒に暮らしても自分は許せるだろうか?
疑問です。でも、許せなければ傷は癒えないような気がします。

何か自分の事も書き込んじゃってすみません^^;
ちょっと昼間に暇で考え込んじゃったもので。

では、ゆっくりゆっくりお過ごしくださいね。

yuyu
yuyu
2006年5月22日0:29

ナノさん こんばんは〜★

そうですね・・・病気でなくても家庭に入ってたときは
今もだけど とり残されてるきがします。
でも その小さな自分の世界ではいろんなことを
ネットで調べて勉強してます。
最近は三輪さんの本を読んだので仏教の宗派についてや
どこにお寺があるかとか調べたり 有名なところの奉って
あるのはどんな神様かとか・・・
あと実際はいけないけど いったことのないところの
土地の名産とか・・・暇だからね・・・
ネットで調べられることは調べて勉強してます
役には立たないけど もし行けたらこんなプラン。。。なんてそんな妄想をしてます。
世間についていけなくてもいいと思います
わたしみたいなひと たくさんいるけど
病気より私は自分と闘ってます。結局自分を知らないし
きちんとみつめて駄目なところと闘ってるって
かんじかな・・・乗り越えるのは自分しかいないから・・
誰の力でもなく 自分なんだよね。

誰かに助けてもらってもまた同じことが起きたとき
自分で自分を救えたらそれでいいけど・・・
できなかったらそれは依存で変われてないって
ことだと思うの。依存で生きてるとすべてがその人の
せいで物事が動いて自分が振り回されてしまうから・・・
ナノさんは精神的に依存はしてないと思うよ
だから いつか自分の足でたてたら 仕事ができるように
なってきっとお母さんに親孝行できると思う。
まずは自分の足で立てるようにナノさんがこころの中を
整理していかないといけないよね。
時間がかかると思う
でも少しずつでもやっていこう
世間においてかれても それはとりもどせるから
大丈夫だから・・・・

私も整理中・・・いらない記憶は少しずつ処理してゆく
うまくいえないけど 自分のせいでこんなったわけでは
ないけど 自分のこころは自分しか解らないものね

ゆっくり整理していらないものは捨ててゆく
私のこころひとつしかもたないくらいに
なにもかも・・・
それでいいきがする

ナノさんも自分のこころひとつでいいと思う
誰のことばにもしばられなくていいと思う
だってもう こんなに苦しんだのだから・・・
自分で自分をしあわせにしてあげてね

ナノ
ナノ
2006年5月22日19:38

☆☆ミルクさんへ☆☆

ミルクさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

私も、「親の都合のいい子」から抜け出せません。
確かに昔のような強い母であったら、反抗したりいい子を
止めようとしたり出来るかもしれませんが、今の母は
一生懸命病気の私の事を思ってくれていて、打って変わって
とても優しいから、せめて迷惑をかけずにいようと
思ってしまいます。それにもう昔の事は余り気にしていない
と言うか、確かに辛くて傷になったけれど過去の事は過去の
事と割り切っている自分も居ます。
けれど母にとって良い子であろうとする自分からは
抜け出せそうにもありません。

お互いを思い合って喧嘩とか事を荒立てるとかそういうのを
避けて優しく楽しく生きていければいいのですが、
いい子を断ち切るとなるとそう上手くいかなくなると
感じます。昔の母と今の私であればきっと反発も出来ると
思いますが・・・。

難しい問題ですね。取り敢えず親不孝な事を出来るだけ
しないように生きていくので、私は精一杯かも知れません。

それではミルクさんもゆっくりお過ごしくださいね^^

ナノ
ナノ
2006年5月22日19:49

★★yuyuさんへ★★

yuyuさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

確かに家庭へ入ってしまうと取り残された気分になるかも
知れませんね。でも、ネットを活用して自分の興味がある
ものを調べたり空想でもプランを立てたりするのも
楽しいですね。

yuyuさんのコメントを読んで無理して世間について
いかなくても良いかなと、少し心が楽になりました^^

そうですね・・・私も毎日自分との闘いです。主治医が仰った
のは「病気とは闘うものではない。病気によって今まで
頑張り過ぎた疲れた心を休ませてくれているのだから」と
言う言葉が頭に残っています。確かにうつ病は体が動くのを
拒否してお薬によって心身を休め、英気を養えるような
そんな休暇を与えられているようです。しかし摂食障害は、
常に胸が掻き毟られているような苦しみを覚えます。
自分との闘いですね。

私は大学時代付き合っていた人から「依存するな!」と
叱咤された苦い思い出があり、人との距離を随分置くように
なってしまいました。だから母には依存ではなく、なるべく
優しく接する事ができたらと心がけています。

私もゆっくりと心の整理をして、少しずつ私が今
見つめなければならないものは何かというものを探して
行きたいと感じます。

yuyuさんもゆっくりゆったりお過ごしくださいね^^