私が住んでいる地域も今年最高温度を記録したようである。

私は暑さからか、いつもより1時間早い15時に目覚めた。

暫しぼんやりとした後、窓を開けて空を見る。快晴・・・。

夏の様に暑くなった気温に、体が中々ついていかない。

そしてシャワーを浴びる。今日は変な夢を見たためずっと反芻

していた。精神科医に歯を治療されたり、センター試験を

受けたりしていた。何の準備も無く奇妙な試験会場で数学や

英語や国語などを解いていく。しかし最後に音楽の試験が

あった。一応幼稚園の頃から小学6年生までピアノを習って

いたので譜面は読める。その譜面を読むというテストであったが

見た事もない複雑な記号が並べ立てられていて、この試験で

落ちてしまったら私はもう駄目だと落胆した。そして

「どうしよう、どうしよう」と焦っている時に目が覚めた。

何とも後味の悪い夢であった。




シャワーを浴び、心身ともにすっきりとした後、いつも通りに

ソイラテを作り飲んだ。変わり映えの無い毎日。このまま腐って

しまうのではないかと思う位、嫌気が差してしまうが、

私は強迫観念から自分が作り上げたスケジュール通り事を

進めないといられない。少しでも違った行動をすると、それが

とても心に引っ掛かって次への行動へと移せない。



臨機応変の出来ない自分に腹が立つ・・・。



いつもは過剰な程服を着込み寒さ対策をしていたのであるが、

今日はTシャツ一枚で過ごせた。それでも汗が滲み出てしまう。

明日からはいつも通りの春の陽気に戻ると天気予報で観たが、

こうも暑いと唯でさえ鬱でやる気の無い状態に拍車をかけて

しまっている。




こんな季節の変わり目、良く思い出すのは大学生活の事である。

1回生の終わりにとてもとても大好きな恋人が出来て、2回生に

入る頃には同棲していた。6畳一間に2畳程度のキッチン、

ユニットバスの余り贅沢だとは言えない狭い部屋で、

私は大学から其処へ帰った後、シャワーを浴びて只管彼の

帰りを待っていた。とても幸せだった。愛する人の為に洗濯して

掃除をして部屋を整える。しかしその彼はワーカホリック

であった為、帰宅するのは午前2時や3時となる事は当たり前

であった。最初の頃こそ彼の帰りを待ちわび、勉強をしていた。

しかし、心の奥底から沸々と『寂しさ』が込み上げた。

PCはあったもののネットには繋げていなかった為、彼の好きな

音楽を聴きながら、ソリティア等のゲームをして時間を潰した。

しかし段々と寂しさはエスカレートしていき、過食嘔吐は免れた

もののアームカットをするようになった。それと共にお酒の量が

どんどん増えていった。私の寂しさはまだまだ未熟な子ども

だからこそ生まれたものであると今は感じている。

毎晩、ウォッカをオレンジジュースで割った

スクリュードライバーを飲んだり、ワインを1本空けたりして

その勢いで思い切り腕を切り裂いた。その傷は今でもケロイド

となって残っている。それを見る度、その頃の苦い思い出が

甦ってくる。結局その恋愛は私の病気が重くなった事と、

彼が私の所為でうつ病になり仕事に行けなくなったという最悪な

結果で終止符が打たれた。要するに私は振られたのである。




しかしその後が辛かった。私はまだ彼の事が好きで、どうにか

また振り向いて欲しくて、彼のアパートの部屋の前で何時間も

ずっとずっと待ち続けた事もあった。これではストーカーだと

今、冷静な心境に立つと実感する。でも、彼が



一緒に病気を治していこう



といってくれた優しい言葉が忘れられず、縋りつきたい気持ち

だったのであろう。しかし結局彼は直ぐに新しい彼女と付き合い

始めて、私は眼中に入らなくなってしまったようである。




思い出したくない、辛い過去。私は21歳で世間知らずの子ども

だったからなりふり構わず8歳年上の彼にどうしても頼りたいと

思ってしまったのであろう。彼との思い出を想起すると

楽しい事もあったし哀しい事もあった、甘くて苦い奇妙な気分に

陥る。この失恋から立ち直るのに2年はかかった。切ない思い出

となって忘れたくても忘れられない記憶として刻まれている。




そしてその後、病気は勿論悪化していった。アームカットだけ

ではなく、手首から肘まで夜になるとお酒の勢いで切り刻み、

半そでが着られない腕になった。過食嘔吐も1日に8回などは

当たり前となっていた。そして精神科で処方されたお薬を

1週間分講義中に飲み干すような、もう目も当てられない程

イタイ行動を繰り返した。しかしそれも立ち直る為の必要な

時間であったのかもしれない。しかしその所為でその頃は

1週間分の薬を処方されなくなって週に2回病院へ通わなくては

ならなくなった。




恋愛中の自分、そして失恋してからの自分、立ち直ってからの

自分etc...をいつも見守ってくれたのは今のカウンセラー

である。ボロボロな私も、訳の分からない状態に

陥っている私もつぶさに見守ってくれていた。カウンセラーには

本当に感謝の念が尽きない。




今日は本を読む気が無かったのでそんな過去の甘くて苦い想いを

頭の中に巡らせていた。あんなに全身全霊で愛し、愛されたのは

あの時限りである。今はもう恋愛等懲り懲りであるし、興味を

失った為、結婚する事もないし、子どもも産まない。

その前に重篤化した私の病気を治さねばならない。




私の病気が治ること・・・それは一体いつの事になるのであろう。

外科手術のように悪い部分を切り離す事等出来ない。

だから今日もこの奇妙な体温を持て余しながら、強迫観念に

支配された1日を過ごしていくのである・・・。

コメント

ミルク
ミルク
2006年5月1日21:52

こんばんわ。

本当に暑い一日でしたね。
私もいつも通り散歩に出たら死にそうでした(汗)

辛い恋愛経験も体験してらっしゃるんですね・・。
でも、愛し愛される喜びも知っていらっしゃるのですよね。
でしたら、子供はともかく恋愛、結婚は諦めないで
欲しいです。ナノさんは誰より幸せになる権利があると
思いますし、幸せを感じて欲しいです。

摂食障害のこと、少し調べました。
私は勝手に荒療治で手足を縛って一日食べなければ
どうかなどと思ってましたが、治療法方は
全然違うのですね。患者さんの意思に任せるような
方法しかありませんでした。
無責任な発言ですみません(汗)

ナノさんが摂食障害を何より憎んでいるのは分かります。
それでも止められないのですから、想像を絶する苦しみ
なのでしょうね・・。

少しでもその強迫観念が薄れることを願ってやみません。
お母様もそれを誰よりも望んでおられる事でしょう。
とにかく、身体だけはご自愛ください。

また来ますね^^

yuyu
yuyu
2006年5月2日0:42

***ナノさんへ***

ナノさんが結婚や子供を生まないという理由にこういう経験があったのですね・・・
恋はいろんな人を知る一歩だけど 辛いこと悲しいことも
多いのはたしかです。結婚していても 紙切れひとつだし
人間って保証されるものは 何一つなくて・・・
だから 保証(保険とか、経済的保証とか)や安定を求めるのかもしれません・・・
ナノさんの中で凄く辛く悲しい経験であったと思いますが
人を好きになること愛されることを知ったことは 心の宝です。

今日はまたナノさんをしる事ができました。
カウンセラーのかたの(人間的な)愛をうけて立ち直り思い出にできたなら忘れる必要はないのです。そのときの自分に正直な気持ちで彼を待たれていたのでしょう?十分それでよかったと思いますよ。過去の自分より今の自分を大切にしてくださいね・・・

今日はとても暑い一日でしたね・・・
家のなかばかりいると 外の世界があわただしく感じ
自分が存在しているかわからなくなります。
生きるって何かを感じてないと それで時計のはりが狂ったようにわからなくなってしまう・・・
それは些細なことでいい
なにか生きてると感じてないと駄目なんだなぁ・・・と今日友達に教えられました。彼女は痛みが生きてる証といっています。夏は来ないと・・・
私は自分がとてもちっぽけだけど 彼女から学んだこと以上に彼女になにか返せたかというと・・・たぶん0に近いとおもいます。

生きることは本当に大変な苦痛だけど・・・・
病気を治すことは ナノさんにとってしなければならないことのひとつになっていませんか?
ゆっくり深呼吸して生き急がず今日も過ごしてくださいね

まるこ
まるこ
2006年5月2日9:42

ナノさん・・お久しぶりです^^
ナノさんの日記を拝読して、私なりに思った事を書かせて頂きますね・・ナノさん、人間は人間によって傷ついたり、傷つけられたりする事が多々あります。本当に悲しい事です。でもまた逆に、人間は人間によって救われ助けられる事、癒される事も多々あると思うのです。今すぐにとは言いません。いつかナノさんが又人を信じて、幸せを掴もうって気持ちになってくださると、私は本当に嬉しいです。ナノさんの病気も私の病気も、きっと軽くなると信じましょう^^そして今の気持ちのままで、将来を考え、そして悲観したり諦めたりなさらず、自分の人生や幸せに拘って諦めずにゆっくり進みましょうね^^すいません生意気言って・・ナノさん、どうぞこれからもよろしくお願いします^^

ナノ
ナノ
2006年5月2日19:52

☆☆ミルクさんへ☆☆

ミルクさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

摂食障害について調べて頂いた事、嬉しく思います。
そうですね。手足を縛り付けて食べられないようにしたり、
無理矢理栄養分を体に点滴するなどの荒治療があるかも
しれません。そして未だにそういった行動制限療法が
あるのも事実です。仔細については端折りましたが・・・。

私は自宅療養なので、診察やカウンセリングを受けつつ
前に進むしかないようです。

そして。いつも心配してくださり本当にありがとうございます。ミルクさんもお身体に気を付けてお過ごしくださいね。

ナノ
ナノ
2006年5月2日19:59

★★yuyuさんへ★★

yuyuさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
yuyuさんも辛い中、いつも私の事を心配してくださり
ありがたい思いでいっぱいです。

本当に昨日は暑い一日でした。ずっと半袖で過ごせました。
yuyuさんの仰る通り、家の中にずっといると時計の針の
進み具合も何もかも私の周りだけ止まっていて、外では
GWの楽しさに溢れていてついていけません。

yuyuさんのお友達はとても大切な心に響く事を仰いますね。
私もそう思います。でもyuyuさんは少しもちっぽけな人間
ではないと思いますよ。とても心優しい情の深い方だと
感じています。

私の目標は今の所、病気を治す事に専念するといった所であると思います。

優しいアドバイスを本当に感謝します。

ナノ
ナノ
2006年5月2日20:04

☆☆まるこさんへ☆☆

まるこさん、お久し振りです。コメントありがとうございます。

バケーションを満喫できた事、私も嬉しく思っています。
海は良いですよね。心が和みます。

まるこさんの、

>でもまた逆に、人間は人間によって救われ助けられる事、癒される事も多々あると思うのです。

と言う言葉、とても胸に沁みました。そうですね。このままでは人間不信のまま病気が快方へ向かう事なく時間ばかりが過ぎてしまいそうですが、落ち着いて周りを見渡せば、
優しさに溢れた家族や主治医、カウンセラーに随分助けられている事に気づきました。

お互い辛い事もあると思いますが、ゆっくりと歩いていけると良いですね^^