雨に打たれて。

雨は今日の未明から降り始めていた。夜中でも家の側の道路を

走る車は絶えない為、雨水を切って走るその水音を、カクテルを

作り飲みながら聞いていた。




案の定、今日も朝から雨が降っていた。

曇天であると、薄暗くて気も滅入ってくる。

ソイラテを作って飲み、そのカフェインの勢いで

何とかやる気を出してシャワーを浴びる決意をした。

今は何もかもが億劫なので覚悟を決めて決意し実行に

移るといった具合である。




しとしといつまでも雨は止む事なく降り続けた。

この雨が私の中の暗い暗いどろどろとした感情を

洗い流してくれたらいいのにと、いつも願ってしまう。

暗くどろどろした気持ち・・・。それは大体

希死念慮である。


訳もなく突然、死にたいと思う。しかしそれを実行しては

ならないという、この世界に拘束されている事実もある。

でも、死んでしまえばこれ以上食べる事にもうつ病にも

苦しまなくて済むんだという全てから逃避してしまいたい心。

でも、今はまだ、死んでしまったら大切な人を傷つけてしまう為

絶対行動には移せないと分かっている。けれども、次から次へと

希死念慮は溢れ出てくる。




そんな思想が心に蔓延っている間は、前を向いたり楽しい事を

考えたりしようとは思えなくなる。

立ち止まってしまうか、或いは後退してしまうか。

そしてこの世に起こっている様々な事象にうんざりする。




外の世界が恐くて、私はこうして部屋に居て、日中の外出が

出来ないのかもしれない。唯一外に出るのは、過食食材を

購入する時だけである。半額シールが付いた商品ばかりを

カゴに入れ虚無的に、なんて阿保な事をしているのであろうと

自分を罵る自分の声が聞こえる。

今日の買い物の帰りは雨脚が酷くなっていたので潔く

雨に打たれながら帰った。両手に荷物を持っているので

傘が差せないだけではあるが、冷たい雨に打たれると

嫌な想い全てを洗い流してくれるのではと甘い期待を寄せる。




幾分普段と違う行動をしたからなのか、家に辿り着いた時、

以外とすっきりしていた。私はいまいち暑さ寒さを感じられなく

なっているので、今日は真冬のような格好で買い物へ行ったが、

冷蔵物・冷凍物の商品が置かれている所はとても寒いので

以外と丁度良かった。




『雨に打たれるのもたまには良いな』




と感じた。




明日は約1ヶ月強休んでいたカウンセリングと対面して行なう

診察日である。明日こそは行きたいと強く思うが、その思いが

プレッシャーとなって身体が動かなくなるかもしれない。

余り気負わず、今日は早目に床に就いて心構えをしたいと思う。




ゆっくりと自分のペースで歩んでいけるように。