夕方、母が仕事帰りに近所の人から沈丁花の切花をおすそ分け
して頂き家に帰ってきた。
何とも言えない馨しい香り。懐かしい過去を回顧する様な・・・。
私は昔から嗅覚が敏感で困る事も多々あったが、こうやって
季節の移り変わりを香りで感じることが出来る。
沈丁花は確か祖父母の家が団地のマンションに変わる前、庭に
沢山咲いていた。子どもの頃、冬の終わりに少しずつ蕾が開く
その花に見惚れ、胸いっぱいに芳香を吸い込んだ事を想起した。
殺風景だった部屋に沈丁花が飾られると、心が和む。
母は若い頃、花嫁修業としてお花やお茶を習っていたので、
花の名前・種類を見ただけで当てるという特技がある。私は到底
敵わない。どんなに大学で知識を詰め込んでも、こうやって
自然の知識を持っている方がとても心豊かだと思う。
私は、沈丁花の花の香りが大好きである。なので母に
「何か久し振りに娑婆の空気を吸ったようだよ。」と笑って
話した。抑うつ状態であると外出する気が失せる。それに最近は
夜、過食食材を買いにスーパーへ行く時しか外出していない。
今日、沈丁花が部屋に飾られた事で、
「お昼に少しでも近所を散歩してみようかな」
という気分になった。
まだ元気が残っていて自転車で通院していた頃、長い坂を上った
所に梅の木が密集している場所があった。やはり春先になると、
其処で自転車を漕ぐのをやめて携帯で咲き誇った梅の花を
撮ってみたり、花に顔を近づけて甘い香りを堪能した。
香りは記憶と深く繋がっている。
私の患っている神経症の1つに『強迫神経症』があるが、
外に出る時は必ず香水を纏わないではいられない。自分が臭うの
ではないかと心配でならないからである。
カウンセリングに行く時はこの香水、一寸した外出時は軽い香り
の香水、気分を変えたいときはあの香水と3種類使い分ける。
シャワーを浴びる時もそうである。好きな香りのシャンプーや
コンディショナー、ボディソープを使用する。だからお風呂上り
のひとときが気持ち良い。
香りの懐かしい思い出はもう1つある。両親が離婚直前の時期、
家の庭にミントを植えていた。生命力が強く、あっという間に
沢山の葉をつけ、花を咲かせた。そして母は何枚か摘み取り、
ミントのハーブティーを作ってくれた。妹も弟もその時は
外に遊びに出ていて居なかった為、母と2人で爽やかなその香り
を感じながらゆっくり飲んだ。今でもその情景は鮮やかに
覚えている。自然のものを口にするという事は、心を豊かにする
のであろうか、母にいつもの刺々しさは無く、2人して笑みを
浮かべながら飲んだ記憶がある。
苦しく辛いだけの過去だと思いこんでいたけれど、随所随所に
そうした笑みをこぼせる様な温かい想い出もあった。
今日はそんな事を思った。
相変わらず日中の拒食の徹底振り、夜中の過食嘔吐は酷くて
苦しく辛いが、まだ胸の中に温かいものが残っていたのだと
気付かされた気がする。
1つ1つの小さく可憐な花が集まって芳香を奏でる沈丁花。
落ち込みきっていた私を不意に救ってくれたプレゼントである。
して頂き家に帰ってきた。
何とも言えない馨しい香り。懐かしい過去を回顧する様な・・・。
私は昔から嗅覚が敏感で困る事も多々あったが、こうやって
季節の移り変わりを香りで感じることが出来る。
沈丁花は確か祖父母の家が団地のマンションに変わる前、庭に
沢山咲いていた。子どもの頃、冬の終わりに少しずつ蕾が開く
その花に見惚れ、胸いっぱいに芳香を吸い込んだ事を想起した。
殺風景だった部屋に沈丁花が飾られると、心が和む。
母は若い頃、花嫁修業としてお花やお茶を習っていたので、
花の名前・種類を見ただけで当てるという特技がある。私は到底
敵わない。どんなに大学で知識を詰め込んでも、こうやって
自然の知識を持っている方がとても心豊かだと思う。
私は、沈丁花の花の香りが大好きである。なので母に
「何か久し振りに娑婆の空気を吸ったようだよ。」と笑って
話した。抑うつ状態であると外出する気が失せる。それに最近は
夜、過食食材を買いにスーパーへ行く時しか外出していない。
今日、沈丁花が部屋に飾られた事で、
「お昼に少しでも近所を散歩してみようかな」
という気分になった。
まだ元気が残っていて自転車で通院していた頃、長い坂を上った
所に梅の木が密集している場所があった。やはり春先になると、
其処で自転車を漕ぐのをやめて携帯で咲き誇った梅の花を
撮ってみたり、花に顔を近づけて甘い香りを堪能した。
香りは記憶と深く繋がっている。
私の患っている神経症の1つに『強迫神経症』があるが、
外に出る時は必ず香水を纏わないではいられない。自分が臭うの
ではないかと心配でならないからである。
カウンセリングに行く時はこの香水、一寸した外出時は軽い香り
の香水、気分を変えたいときはあの香水と3種類使い分ける。
シャワーを浴びる時もそうである。好きな香りのシャンプーや
コンディショナー、ボディソープを使用する。だからお風呂上り
のひとときが気持ち良い。
香りの懐かしい思い出はもう1つある。両親が離婚直前の時期、
家の庭にミントを植えていた。生命力が強く、あっという間に
沢山の葉をつけ、花を咲かせた。そして母は何枚か摘み取り、
ミントのハーブティーを作ってくれた。妹も弟もその時は
外に遊びに出ていて居なかった為、母と2人で爽やかなその香り
を感じながらゆっくり飲んだ。今でもその情景は鮮やかに
覚えている。自然のものを口にするという事は、心を豊かにする
のであろうか、母にいつもの刺々しさは無く、2人して笑みを
浮かべながら飲んだ記憶がある。
苦しく辛いだけの過去だと思いこんでいたけれど、随所随所に
そうした笑みをこぼせる様な温かい想い出もあった。
今日はそんな事を思った。
相変わらず日中の拒食の徹底振り、夜中の過食嘔吐は酷くて
苦しく辛いが、まだ胸の中に温かいものが残っていたのだと
気付かされた気がする。
1つ1つの小さく可憐な花が集まって芳香を奏でる沈丁花。
落ち込みきっていた私を不意に救ってくれたプレゼントである。
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