9日木曜日の昼に祖父は退院した。

術後の経過もよく、ご飯もぱくぱく食べていたそうである。

なので早めの退院となった。



お見舞いに行けなったので、祖父の家へ行った。

母と共に。

「行くよ」との電話を入れてから到着するのを

待ちきれなかった祖父は、この寒い中ドアの前で私たちを

待っていた。





ここまで孫である私のことを思い、到着が遅いからと

心配になってドアの前で待っていてくれた祖父。

胸がジンとして嬉しさが沁みた。



晩御飯を一緒に食べた。

折角の退院した当日である晩御飯。

私は『過食』という醜態を晒したくなかった。

せめてこのご飯だけでも普通に食べようと努力して、

お漬物や野菜炒めの玉葱だけを少しずつ食していた。



けれど、駄目だった。



胃の中に食べ物が入っていると思うと、パニック寸前になり

『消化したくない』という馬鹿な想いが一人勝ちした。



私は何て最低なんだろう・・・・・・。

祖父は私が居る事で嬉しそうにおしゃべりをしながら

美味しそうに御飯を食べているのに・・・・・・。

私は過食をしてしまった。



皆が一休みする為に居眠りをしている間に

私は嘔吐をして、みんなの食器を洗い、甘いコーヒーを作り

低血糖発作の為手指を震わせながら煙草を吸った。

自分の情けなさに泣いた。



今までの積み重ねがあるのに突然止めると言う事は

どうして不可能なのであろう。

幾ら意志の強さ弱さ等もう其処に関わっていない事は

分かっていても、「こんな良い日くらいどうして」

と自己を責め苛むしか術はなかった。



起きた祖母と夜中テレビを観て笑ったり色んなお話をした。

祖母は東洋医学に基づいた体操の先生なので、

首・肩・背中・腰をほぐしてくれた。

毎日不健康に過ごしている私の身体はごりごりに凝っていて

「このしこりをなくさないとねぇ。あんた若いのにそんな

身体でどうすんの。」と言う言葉を引き出してしまった。

心配をかけてしまい申し訳ない。



そうして色々と今まで会えなかった空白分の話をしたり

説教を聴いたりして家に帰りついたのは午前3時を過ぎていた。



家へ入り先ずファンヒーターのスイッチを入れたら、

部屋の温度は5度だった。寒さに暫く動けなかった。



そして馬鹿な私はこれから過食を始めようとしている。


「2回やらないと眠ってはいけない」


こんなに良い日を過ごしたのに、何ら変わらない私の脳。

普段しない事をして疲れきっているのに目は冴えてくる。



でも、祖父に会えてよかった。会えてよかった。

祖母と会えてよかった。会えてよかった。

沈みきっていて泥沼の中踠いていた私が、

祖父・祖母と居られた時だけ浮上して呼吸できた様に思う。

コメント

紫音
かぐら
2006年2月10日7:41

自分を抑えるのに苦しかったですね・・・
大丈夫?自分の意思とは反対に動いてしまう辛さ。
さぞ苦しかったことでしょう。お察しします。
でもあまり自分を過酷な状況に落とし込まないでね。
私も人の事言えないけれど・・・^^;   紫音より

ナノ
ナノ
2006年2月10日19:55

☆☆紫音さんへ☆☆

紫音さん、こんばんは。コメントありがとうございます。

心配のお言葉、とても嬉しいです。本当、自分を抑えるのって大変ですね。病気だから無理があるとは分かっていても、どうしても祖父と祖母の前では健康な孫でいたいと思ってしまって・・・。

祖父は認知症なので少し生活に支障をきたしているし、それを祖母が介護しているので、私に出来るのはお話好きな祖母とおしゃべりること位です。でも、それが昨日出来たので自分を落とし込まなくて済みました。

いつも慮ってくださり、本当にありがとうございます。